マイヒーロー




 オレはオーブハンター、レイン。
 アルカディアの平和のため、日夜タナトス退治に励んでいる。
 オレのファイヤーショットが火を噴けば、タナトスなんて目じゃないぜ。
 いつだってこの大陸はオレが守る。


「なっ!?」


 いきなり耳に飛びこんできた子どもの声に、レインはぎょっとして足をとめた。


「何かしら、今の・・・」


 隣にいたアンジェリークも、その声の主を探してきょろきょろとあたりを見回す。
 ちょうどファリアンでの依頼を受けているところだった。
 海を渡って運ばれてくる積み荷にタナトスがとり憑いている恐れがある、という内容のものだ。
 以前も同じような依頼を受けたことがあったが、そのときは実際タナトスが現れたので、今回も急ぎファリアンへとやってきたというわけだ。

 繁華なファリアンには人が溢れていたが、そしてレインにとっては小さい頃から馴染み親しんでいるのだが、自分の名前を叫ばれるのを聞いたのは初めてだった。


「何だ、今のセリフ」

「あら、あの子かしら」


 口にするのも恥ずかしいセリフを、自分の実名付きで、人通りの多い往来で叫ばれたのではたまらない。
 レインはアンジェリークが指さす方向を見た。
 彼女が見つけたのは、子どもたちの一団だった。


「オレはレインだぞ! タナトスなんて一撃に仕留めてやる!」


 そう言っているのは、勝ちきそうな釣り目の少年だった。
 やや小柄な身を荷運び用のコンテナの上に載せ、玩具の銃を構えている。
 その周りに、何人かの子どもが取り巻いており、やんやと野次を飛ばしている。


「何だよ、お前はサニーだろ! レインじゃないぞ!」

「お前みたいなチビに、オーブハンターが務まるはずないだろ」

「どうやってタナトスを倒すんだよ!」

「うるさい! オレにはこの銃があるんだ!」

「やーい、嘘つき!」

「お前にタナトスが倒せるものか!」


 ぎゃあぎゃあと喧嘩を始めてしまった子どもたち。
 どうしたものかと見守っていると、路地裏から一人の女の子が顔を出した。
 その少女の顔を見たとたん、ぴたりと喧嘩が止んだ。


「アン・・・!」


 サニーと呼ばれた少年は、コンテナから飛び降りて、その少女に近づく。
 逆に彼を取り巻いていた子どもたちは、クモの子を散らすようにどこかへ走り去ってしまった。


「アン、外へ出て大丈夫なのか?」


 心配そうに声をかけるサニーに対して、アンは控えめにうなずく。


「大丈夫。サニーはまた無理をしているの?」

「無理じゃない。オレがタナトスを倒してやるんだ! お前は安心していて良いから」

「でも・・・」


 アンが眉を寄せると、サニーは任せろ、と胸を張った。


「・・・・・・」


 その様子を見ていたアンジェリークとレインは、互いに顔を見合わせた。


「何か事情がありそうだが、子どもがタナトス退治とは危ないにもほどがある。あいつ、無茶をするんじゃないか?」

「ええ。・・・あ、そうだわ」


 何かを思い出して、アンジェリークはぽんと手を打った。


「そういえば、ウォードンタイムズに子ども向けのお話が連載されているって、ベルナールさんに聞いたわ。タナトスと戦う、その名も『オーブハンターの大冒険』。確か、そこに出てくる登場人物は、私たちと同じ名前だって」

「・・・あいつ、何を勝手に・・・」

「子どもたちには大人気なのだそうよ。もしかして、あの子はそのお話の中のレインを真似しているんじゃないかしら」


 そういうことなら子どもが自分の名前を知っているのも納得だが、ウォードンタイムズへの不満が消えたわけではない。
 次にベルナールに会ったときには、思い切り文句を言ってやろうと心に決めてから、改めてレインは子どもたちを見た。
 サニーはアンの肩を掴んで、はっきりと言い切る。


「お前にタナトスがとり憑いているなんて、そんなことあるはずないだろ! もしそうだったとしても、オレが退治してやる!」

「でもあぶないわ」

「うるさい! お前はただ待っていれば良いんだ!」


 サニーは気が短い性分なのか、アンの言葉も聞かずにどこかへ駆けていってしまった。


「・・・・・・」


 アンは何か言いたげに、サニーの背中を見送っている。
 悲しそうな表情のまま。


「ねえ、少しお話させてもらっても良いかしら?」

「え?」


 アンジェリークが声をかけると、アンはびくりと激しく身を震わせた。
 極度の人見知りなのかもしれない。
 怖がらせないように視線をアンに合わせて、微笑みながらゆっくり語りかける。


「ごめんなさい。私はアンジェリーク。オーブハンターなの。さっきからタナトスっていう言葉が聞こえてきたから、気になって。もし力になれるなら、お話聞かせてほしいの」

「オーブハンター・・・? 本物?」

「ええ、そうよ。ねえ、レイン」

「レイン?」


 アンジェリークに促されるようにアンが視線を上げると、新聞で見た通りの赤髪の青年が立っていた。


「本物のレイン!?」


 その瞬間、びっくりするほどアンの表情が明るくなった。


「本当に本物のレイン?」

「ああ、本物だ」

「すごい!」


 目をキラキラと輝かせるアンに、思わずアンジェリークとレインは顔を見合わせた。


「少し、話を聞かせてもらえるか?」

「うん」


 アンは素直にうなずいた。





「つまり、こういうことか」


 海辺に面したカフェテラスで話を聞いていたレインは、アンの話をまとめる。
 アンの父親は貿易商人で、海を渡って運ばれてくる商品を扱っていた。
 あるとき積み荷にタナトスがとり憑いていて、大騒ぎとなった。
 騒ぎは収まり安心したのも束の間、またアンの父親の積み荷にだけにタナトスがとり憑いてしまった。


「それで、アンやアンの家族にはタナトスがとり憑いているだなんて、噂になったんだな」


 アンはこくんとうなずいた。
 フルーツいっぱいのパフェを前にしても、浮かない顔をしている。

 当然だろうとアンジェリークは思った。
 タナトスは誰にとっても脅威なのだ。
 ただでさえ恐ろしい存在にとり憑かれているなどと言われては、心穏やかでいられるはずがない。


「確か、今回の依頼は、港の貿易を管理している組合の代表だったな。原因はアンの父親の積み荷だろう」

「ねえ、アン。私たち、そのタナトスを浄化するために来たの。だから安心して」

「浄化・・・! 本当?」


 希望の光を見つけて、アンは大きく目を見開いた。
 沈んだ表情をしているときは少し大人びて見えたが、こうしてみるとまだまだ幼い少女だということが分かる。
 アンジェリークは力強くうなずいた。


「ええ、本当よ。私たちが必ず浄化するわ」

「うん。レインはオーブハンターで最強だもの。大丈夫よね」


 キラキラとした眼差しがレインを見つめている。
 すっかり『オーブハンターの大冒険』の虜になっているのが分かる。
 ウォードンタイムズの影響力の強さを思い知った気がした。
 ・・・勿論、ベルナールへの不満が消えたわけではないが。
 レインは咳払いをして、気を取り直すように目の前のアイスクリームを掬って口に入れた。


「それにしても、さっきの男の子・・・サニーだったかしら。あの子、あのままで大丈夫かしら」

「サニーはオーブハンターになって、タナトスを退治してくれるって言っているの。私たちがタナトスにとり憑かれているって噂になっても、サニーだけは怖がったりせずに、何とかしてくれようとしていて・・・」


 アンは少しうつむきながら微笑んだ。


「アンはサニーのことが好きなのね」

「え・・・う、うん」


 真っ赤になってしまったアンが、何とも可愛らしい。
 小さな子どもといえど、やはり女の子なのだ。
 微笑ましい光景に、その場が和む。

 ――――そのときだ。


「タナトスが出たぞ!」

「!?」


 港のほうから緊迫した声が飛んできた。
 賑やかな場が一変して、ざわめきと悲鳴に変わる。


「アンジェ!」

「ええ!」


 椅子を倒す勢いで立ち上がると、アンジェリークとレインは港のほうを見据えた。
 ここからでも分かる。
 禍々しい空気が、眼のさきで渦巻いている。


「いい、アン。あなたはここにいるのよ。危険だと思ったら、おうちに逃げて」

「う、うん」


 蒼白になりながらも、アンは素直にうなずく。
 別々の道を走り出そうとしたとき、


「おい! アン!」


 先ほどサニーを取り巻いていた子どもの一人が近づいてきた。
 タナトスの恐怖は、子どもにとっても同じ。
 恐怖を感じている様子はありありと分かった。


「お前、あのタナトスをどうにかしろよ! サニーが突っ込んでいったんだ!」

「え!?」

「なに!?」


 あの少年がタナトスに向かって行ったところで、彼の身に危険が降りかかるだけだ。
 その言葉を聴いた途端、


「アン!」


 逃げようとしていたアンが、港のほうへと走り出してしまった。


「追いかけなきゃ!」

「ああ、だが」


 レインは、その場に立ちすくんでいる子どもに向き直った。


「良いか、タナトスがアンの家族にとり憑いているなんて嘘だ。タナトスは人のことを傷つける奴にとり憑くんだ。今のお前、かなり危ないぞ」

「な、う、嘘だ! そんな・・・」

「嘘じゃない。お前、オレのこと知らないのか?」


 レインはホルダーから銃を取り出して見せる。


「オレが本物の、オーブハンター、レインだぜ」

「レイン・・・!? 本物!?」


 反応はアンのときと同じだ。
 子どもは素直に、新聞から抜け出たヒーローに、純粋に憧れの眼差しを向ける。
 くすりと笑って、レインは子どもの背中を押した。


「そういうわけだから、早く逃げろ。アンとサニーはオレたちが助ける」

「う、うん!」


 子どもは名残惜しそうに、それでも言われた通りに走っていった。


「さ、行くぞ、アンジェ」

「ええ。でも・・・ふふっ」


 走りながら、アンジェリークは思わず笑みをこぼした。


「何だ、急に」

「ううん、レインて子ども好きだったのね。本物のヒーローみたいだわ」


 うまく子どもを言い含めてしまったところはさすがだ。
 誉めたつもりだったのに、レインは渋い顔をした。


「仕方ないだろう。ああ言うのが手っ取り早かったんだ」

「仕方なくなんかないわ。レイン、格好良かったもの」

「そ、そうか・・・?」


 いつの間にか、アンジェリークまで子どもたちのように、目を輝かせている。
 彼女自身もオーブハンターの一人なのだが、自覚はないようだ。
 そう言っている間に、人気の減った埠頭に禍々しい存在と子どもたちの姿を見つけた。





「お、お前、許さないぞ! 覚悟しろ!」


 サニーはアンを背に守り、玩具の銃を何度か発砲させる。
 しかし、玩具の域を出ない、殺傷能力のない弾がタナトスに敵うはずがない。


「サニー、危ないわ。逃げましょう!」


 アンはサニーの服を引っ張って逃げようとするが、サニーは譲らない。


「駄目だ、ここでこいつを退治するんだ!」


 あくまでもタナトスの退治にこだわり、引く気は皆無だ。


「こいつのせいで、アンはとり憑かれているなんて言われているんだ!」

「サニー・・・」


 少年の想いは本物だ。
 小さい子どもだからと侮れない強さがあった。

 ――――しかし。


「うわっ!」


 タナトスにその想いが打ち勝てるかと言うと、それはまた別の話だ。
 凄い速さで黒い影が伸びてくる。


「サニー!」


 とっさに身を引いてタナトスの攻撃をよけられたが、代わりに唯一の武器である銃を弾かれてしまった。


「早く逃げなきゃ!」

「駄目だ! 逃げられない!」


 ここへ来てもサニーは諦めない。
 引くことを負けだと思っているのだ。
 負けは許されない。
 そんな二人をあざ笑うかのように、タナトスがじりじりと近づいてくる。


「い、いやああっ!」


 恐怖のために、アンが叫んだときだ。

 バシュッ!

 子どもたちに伸ばされていたタナトスの触手が、勢い良く弾かれた。


「!」


 恐らく感情などないタナトスですら、驚きを表した。


「そこまでだ!」


 強い声が聞こえたかと思うと、オーブの力を纏った弾丸が、百発百中の確率でタナトスに撃ちこまれる。

 ――――グアアアア。

 声にならないタナトスの苦悶の叫びが耳をつんざく。
 それに負けない鋭い声が、禍々しい叫びを切り裂いた。


「アンジェ、今だ!」

「ええ!」


 強い声に応えて、その場が優しさで満たされる。


「浄化の力よ。世界を優しさで包んで・・・!」


 まばゆい光が辺りを埋め尽くす。
 その眩しさに、サニーもアンも目を閉じた。
 耳にはおぞましいタナトスの叫び声は聞こえていたが、それもだんだんとおさまっていく。
 光の海が引いていき、二人が目を開けると、そこにはもうタナトスの姿はなかった。


「これは・・・」


 サニーは慌てて辺りを見回す。


「大丈夫か?」


 そう言いながら近づいてくる人物を見て、サニーは自分の目を疑った。


「え・・・!? れ、レイン!?」


 すぐに誰なのか分かった。
 自分の憧れていた人物が前に立っているのだ。
 信じられない想いで、サニーはレインを凝視した。

 赤い髪で、銀色のメッシュが入っている。
 意志の強そうな目は、何事も見抜いてしまう鋭さがある。
 ジャケット姿に銃を構えると、どんなヒーローより格好良い。

 見惚れているサニーの前まで来ると、


「お前、駄目じゃないか!」


 いきなりレインは怒りだした。
 怒られるとは思っていなかったサニーは、びっくりして身を大きく震わせた。


「タナトスに立ち向かうなんてナンセンスだ! オレたちが間に合わなかったら、どうするつもりだったんだ」

「そ、それは・・・」


 急にしゅんと萎れてしまうサニー。
 代わりに、背に守られていたアンが前に出てきた。


「ごめんなさい! サニーは悪くないの。私のせいだから」

「アン・・・」


 サニーをかばうようにしているアン。
 そんな彼女に、サニーは大きく目を見開く。

 守っていると思っていた相手に守られている。
 そのときの己の力不足を嘆く気持ちと、同時にこみ上げる嬉しさは、レインにも覚えがあった。
 レインは片膝をつくと、サニーの額を軽く小突いた。


「好きな奴を守りたかったら、何より、そいつの笑顔を守ることが一番だ。悲しい思いをさせたら駄目だぞ」

「う、うん・・・!」

「まあ、やり方は間違っていたが、頑張ったんじゃないか? アンを守ろうとしていたことはえらかったな」


 そのままくしゃりと茶色の髪の毛を撫でる。
 短気で無鉄砲だったサニーは驚くほど大人しくなって、素直にレインの言葉にうなずいた。
 そんな様子を見て、アンジェリークはそっとアンに耳打ちする。


「女の子だって、守られているだけじゃ駄目よ。さっきのアンは凄く格好良かったわ」

「え? そ、そう・・・?」

「ええ、頑張ったわね」


 にっこりほほ笑むアンジェリークに、アンも頬を紅潮させて笑顔を見せた。
 こうして、アンジェリークとレインは無事に依頼を解決し、幼い子どもたちに夢を与えることができたのだった。





「・・・は?」


 陽だまり邸のサルーンに設置されたボードの前で、レインは目が点になった。
 依頼が貼られているボードには、最新の依頼がいくつも貼られているのだが。


「どうしたの、レイン?」


 メモを見て凍りつくレインのうしろから、アンジェリークが後ろから顔を出した。
 何げなくメモに目を走らせて、


「・・・まあ」


 アンジェリークも目を丸くした。


「おやおや、今日も仲が良いですね」


 二人が事実を知ったのを見計らったかのようなタイミングで、ニクスが涼やかに声を掛けてきた。
 そして優雅にボードの前に立って、数多に追加された依頼を読みあげる。


「オーブハンターの皆さまへ。わたしたちは、リースにある幼稚舎のスタッフです。是非今度、子どもたちのためにマナー講座をお願いします」

「子どものマナー講座だって?」


 何でそんなものを、とレインが言いかけたとき。


「レイン君、ひどいじゃないか!」


 玄関の扉を破らん勢いで、ベルナールが飛び込んできた。


「ひどいって、何なんだ、一体・・・」

「これだよ、これ!」


 ベルナールは持ってきた新聞をレインに押しつける。
 よほど興奮していたのか、ぐしゃぐしゃに握りつぶされているが、文字だけはちゃんと読めた。


「これは、ファリアンポストか?」

「ああ、ファリアンポストが出している、子ども向けの新聞だよ」

「これが一体・・・」


 困惑のまま紙面に目を落としたレインは、刹那、


「な、何だって!?」


 わなわなと新聞を持つ手を震わせた。


「ど、どうしたの、レイン?」


 慌ててアンジェリークも紙面をのぞいた。


「ええと・・・このほど、港に現れたタナトスは、子どもたちのヒーロー、オーブハンターのレインとアンジェリークによって浄化されました」


 きっと、先日の積み荷にとり憑いたタナトスを浄化したときのことだろう。
 アンジェリークはそのまま読み進める。


「そのときにレインは言いました。『良い子にしていないと、タナトスがとり憑いてしまうぞ』と。
 それ以来、ファリアンの子どもたちは、毎日おうちのお手伝いや、困っている人を助けるようになりました。あれからファリアンにタナトスは現れません。皆さんの良い行いが、タナトスを近づけなくなったのですね。
 これからも人のためになる行いをしましょう」


 その紙面には、いつの間に撮られたのか、レインとアンジェリークの写真が、そしてその下には、子どもたちの写真が掲載されている。


「今、ファリアンの子どもたちの間では、オーブハンターレインとアンジェリークごっこが流行っているらしいよ。って、オーブハンターはウォードンタイムズの専売特許だろう?」

「それも違うだろ! お前が勝手に使ったんだ」

「というわけで、これからしばらく密着取材をさせてもらうから、よろしく」

「よろしくじゃない!」


 ぎゃあぎゃあと騒ぎ合うレインとベルナールの脇で、アンジェリークはボードに貼られている依頼を一件一件読んでいく。


「オーブハンターのレイン様。どうか子どもたちのために、お話をして下さい。オーブハンターの皆様、教会の子どもたちに会いに来て下さい・・・」


 依頼場所、依頼主は子どもから大人まで多岐に渡るが、今までの依頼とは一変している。


「ふふっ」

「おや、どうしました?」

「いえ、こういう形で皆さんに希望を与えることができるのだと思ったら、何だか嬉しくて」


 困った人のための依頼解決だが、こういう依頼も良いものだとアンジェリークは思う。


 ――――それに、確かにレインは正義のヒーローみたいに格好良いもの。


 いつの間にかベルナールとニクス、双方にからかわれ始めて、顔をしかめるレインを見ながら、アンジェリークは一人レインに惚れ直していたのだった。









back